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ママさんFPのドタバタ的日常劇場

ママさんFPのドタバタ的日常劇場

愛のスカイライン物語(マネー編)

同じローンでも人それぞれの探し方、使い方、そして満足度

        Y2カンパニー CFP  西谷 由美子

 ハッキリ言おう。私はケチである。働く主婦であり、家計を切り盛りしていて一家の金銭管理を一手にやっている割に、自分自身の裁量と決断で動かすお金にそう余裕はない。そんな私のクルマ観は「燃費が良くて汚れが目立たなければ十分」である。おとうちゃんも「助手席をオレの指定席にしてくれたら文句なしね~」という人なので、ファミリーセダン中古車でまったく問題なく、家族で平和に今日まで過ごしている。

 ところで生物学や心理学ではおなじみの刷り込み現象(トリのヒナって、卵から出て最初に見たものを親だと思っちゃうアレ)は、親の認識以外にも生活の様々なところでその片鱗を覗かせている気がするが、それは私のクルマ観にも当てはまる様だ。

 思い起こせば最初にマイカーを手に入れたのは、当時のボーイフレンドの「今月、キビしいからオレの3台のうちの1台買ってくれる~?」の一言がきっかけだった。(今なら、「3台も持ってりゃ行き詰まるの当たり前だよっ!!!」と桜塚ヤっ君風に突っ込むよねぇ)

 X年落ちの箱スカ(おい、歳がばれるぜ。日産から1968年に登場した箱型ボディの3代目スカイラインが箱スカ)を20万円で買った。当然キャッシュ、相場よりケッコー割高。以来桜井真一郎氏(スカイライン他有名日産車のデザインに関わる、その世界では伝説の人)から表彰状を貰えるのではと思える位、ケンメリ、ジャパン、パサージュ(箱スカ以降のスカイラインの愛称)と乗り継いだわがクルマ遍歴は、サーフィンライン(スカイライン名物のリアフェンダー上のライン)が消えた頃パソコンに500ccほど食われ現在に至っているが、何とも見事に中古車街道驀進中!10年目の車検(って、今、新車は最初3年で車検だから、11年とか、5回目の車検というのが適切か。若い方、ゴメんなさいね~)が来る前に買い換え、もちろん支払はキャッシュ。飲み屋のママさんもうらやむ位の「掛けで不仲になるよりは、いつもニコニコ現金払い」。時には業者さんから「若いのに偉いですね」といわれてイイ気になってました。自慢ではありません、今なら提携ローンとの関係から来る皮肉だと判ります、私も大人になりました、ハイ。

私の車購入初体験の頃は、一般人の分割払いは「マル専手形」(これって既に死語の世界?昔の大きな分割払いは、銀行等に依頼し手形を振り出し、期日毎に支払った。信用がないと銀行は決して許してくれなかった)が中心で、今のようなお手軽ローンは皆無。取引のある銀行から「次のオクルマは、ぜひわが行のオートローンで」なーんて電話がかかる今の状態は、手塚治虫先生が21世紀に携帯電話が普及すると予測できなかった以上に、想像できない事であった。

我が家では丁度、次の買い替え時期と子供の高校入学が重なる。「リッターカーより思い切って軽にしよーかな、税金なんかも安いし・・・」と私がそれとなく口にしても、家族は「かわいい色にしようね。」程度の反応だ。しかし、人の価値観は様々。首相ならずとも「人生色々」と口ずさみたくなる。私もFPの端くれ、時々相談を依頼されることがあるが、クルマ観が違ったカップルの場合、モメることが多い。

夫が「クルマ命!」みたいに3年目、5年目の車検前に買い替えを希望し、妻は「もっと家計を考えて!」とクルマは単なる移動手段程度にしか考えていない場合。独身時代なら自分のことだけ考えていただいても結構なのだが、一応小さいお子さんもいらっしゃると、「子供を連れてドライブ、公共の交通手段より安上がりじゃん!」という今現在を中心に考えるご主人に対して、奥様はFP的に「来年は幼稚園、5年後には2人とも小学校、お稽古事も増えるし・・・」と、かなり先の事も考えて心配していらっしゃる。

 こういう場合の説得には、ご家庭の予想年表(FP的にはライフイベント表)を作成し、お子さんの教育費、マイホームの頭金など、予想される出費のうちで毎月の生活費の範囲を超えるものを見ていただく。さあ、これはお宅の貯蓄とか想定内の昇給で賄える金額でしょうか?と。大抵の場合、ここでハタと膝を打ち、クルマにかまけている場合ではないと考えを改められる。しかし、「ボクの稼いだお金はボクが自由に使途を決めてなぜいけない?」との反論が出る場合も。奥様の心配よりも「男のステイタスは乗ってる車のクラスだぜぃ!」という魂の叫びの方が大きい方がいらっしゃるのもまた事実である。金銭面も含め、将来をどうするかという事は、他人であるFPがホイッスルを吹いてレットカードを渡す訳にも行かない。じっくりご夫婦で話し合われて折り合いをつけていただくしかない。

さて、この哀しくも切ないせめぎあいの中で、両者の歩み寄りの為の一筋の光明となり得るのがローン返済である。もちろん高金利ほど来店不要、即日融資という甘い誘い文句が。しかし、将来をじっくり考えている奥様、その慎重さで周囲にアンテナを張り巡らしてほしい。ガソリンスタンド提携カードには「会員のみ優遇金利」を謳っている場合も。従来年利6%以上がGS会員なら年利4.8%になっていたりする。請求書に挟まれて送付されるので、破り捨てないように要チェック。インターネットでオークションにはまっている貴方、暇なときに検索をかけてほしい。期間限定、地域限定なら、3%未満で3百万円までローンが組めたりする。地方の信用金庫なんか掘り出し物の宝庫かも。ちなみに2百万円を48回ボーナス払いなしで借りた場合、ザっと年利3%なら総返済額が約212万円の所、6%だと225万円。8%なら234万円。この差はかなり大きい。

私の知るところで最強の使い手は、ディーラーさんの提携カードを新規に作り支払った主婦である。クレジットカード分割払いなので、金利的には銀行キャンペーン金利より高い。しかし、新規加入で女性好みのプレゼントを貰い、キャンペーン期間中なのでポイント倍付け、しかもこれがマイルに変換できた。帰省の飛行機代をタダに持ち込んだ訳である。低金利を探して彷徨うより、時間短縮、気分良好。何といっても家族の満足度・納得度が高かったのが勝利のポイントであろう。

ローンとは借金の言い換え。安易に頼るとアブないのは万人の知る処。しかし、中学校の数学ではないので人生の方程式に唯1つの正解がある訳ではない。現にある制度なら、ウマいこと利用して是非ともウィン・ウィンの関係に持ち込みたいものである。


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